・物件情報に出てくる利回りって何?
・利回りの計算方法が分からない
この記事では、上記の悩み・疑問を解決します。
利回りが分かるようになれば、お得な物件を見抜けるようになります。
一度覚えてしまえば簡単で、利回り計算のテンプレートも公開しているので、ぜひマスターしてくださいね。
不動産投資の利回り説明と計算テンプレート
物件情報サイトを見ていると「利回り」という単語を目にしますよね。
不動産投資における「利回り」とは、「物件の購入金額」に対する「利益の割合」のことです。
利回りには、代表的なものに「表面利回り」「実質利回り」の2種類があります。
①表面利回り
楽待や健美家など、不動産情報サイトの物件ページに載っているのは「表面利回り」です。
表面利回りは、グロス利回りとも言われます。
表面利回りの計算式
計算式のテンプレートは以下です。
例えば、月額家賃58,000円、物件購入価格700万円の場合、表面利回りは約9.94%になります。
58,000×12÷700万×100≒9.94%
利回りが9.94%というのは、「月額家賃が58,000円だと、1年間で購入額700万円のうち9.94%を回収できる」ことを意味します。
また、 利回りが9.94%というのは、「約10年で物件金額を回収できる」ということも意味します(100%÷9.94%≒10)。
1年で9.94%を回収。
これを10年繰り返すと、99.4%(≒100%)回収できるわけです。
もし表面利回り20%なら…
5年で回収できるってことか!
利回り(%)が高いほど、収益を生みやすい物件とみなせます。
そのため、多くの物件の中から、どれを買うべきなのかを判断するために利回り計算が必要なのです。
物件の購入を検討するときには「利回り」を必ずチェックしましょう。
②実質利回り
もう1つの利回りが「実質利回り」で、ネット利回りとも言われます。
実質利回りは、表面利回りよりも支出を細かく反映させた利回りで、より実際に近い利回りです。
ただ、支出として何を計上するかは人によって考えが異なります。
ここでは私が使っている、管理費・修繕積立金を家賃から引く場合の式を紹介します。
実質利回りの計算式
計算式のテンプレートは以下です。
例えば、月額の家賃58,000円、管理費4,000円、修繕積立金6,000円で、物件購入価格700万円の場合、実質利回りは約8.23%になります。
(58,000−4,000−6,000)×12÷700万×100≒8.23
利回りが8.23%の場合は、約12年で物件金額を回収できます(100%÷8.23%≒12)。
なぜ表面利回りと実質利回りがあるのか?【共通の基準が必要】
表面利回りは物件価格以外の支出を考慮しないので、実際とは乖離のある値です。
そんな雑な数字をサイトに載せて意味あるの?
このように思われた方もいらっしゃると思います。
表面利回りは、月額家賃と物件購入価格だけを使って計算するので、誰にとっても共通の基準になる点で、メリットがあるのです。
対して、実質利回りは、支出を細かく考えてどこまで計算に入れるのかが人によって異なるため、物件情報サイトのように様々な人が見る場所では、参考になりにくいです。
実質利回りに管理費と修繕積立金を含める理由【金額が大きい】
先ほどの計算テンプレートでもお分かりのように、私は、実質利回りを計算するときに、管理費と修繕積立金しか考慮しません。
火災保険料や固定資産税、賃貸管理会社への委託費用なども計算に入れる人はいますが、私がそうしないのには理由があります。
なんで?気になる。
理由はシンプル。
管理費と修繕積立金は、物件によって金額が大きく異なり、「どの物件が買いなのか?」の判断にインパクトを与えるからです。
一方、火災保険料や固定資産税は物件ごとの金額の差が小さく(※)、賃貸管理会社への支払い額は物件に関係なく毎月固定。
どの物件がお得なのかをあぶり出すのに、物件間で差が小さい値を入れてもあまり意味がないと考えています。
計算に使う項目を減らして、スピーディに計算&判断できるようになる方がいい!
不動産投資の利回りの目安は?
利回りの計算の仕方がわかったところで気になるのが、「どれくらいの利回りを狙えばいいのか?」ではないでしょうか。
利回りの “目安”をお伝えする前に、【利回りは条件によって変わる】ということを先に説明します。
利回りは様々な条件で変わる
利回りは下記の条件等によって変わってきます。
- エリア(都心、首都圏、地方など)
- 築年数(新築、築浅、築古)
- 建物種類(マンション、アパート、戸建など)
利回りには傾向があり、リスクが高い方が利回りは高くなります(ハイリスク・ハイリターン)。
- エリア:都心よりは首都圏、首都圏よりは地方の方が高利回り
- 築年数:新築よりは中古(築浅・築古)の方が高利回り
- 建物種類:マンションより、戸建て・アパート(木造)の方が高利回り
一般的に、地方・古い・木造の方がリスクがあると見られるため、物件価格が安くなる→利回りが高くなる、ということです。
首都圏の中古区分マンションの利回り目安【7%】
【利回りは条件によって変わる】ということがお分かりいただけたところで、利回りの “目安”をお伝えしますね。
私は都心や首都圏で中古区分マンションを探すことが多く、だいたい下記の目安で物件を検討しています。
- 東京23区内、築25~35年の区分マンション:6~8%
- 神奈川県川崎駅近く、築25~35年の区分マンション:7~8%
これは、5年半の経験から見つけた目安です。
物件情報をこまめに見ていけば、こういう物件なら表面利回り何%かな、という自分なりの目安が持てるようになります。
個人の目安もいいけど利回りの “相場”が知りたいという方は、日本不動産研究所が公表している「第41回不動産投資家調査(2019年10月時点)」を参考にしてみてください。
利回りが高い物件を買うべき?
よし分かった、安くて高利回りな地方の中古物件を買うぞ!
と思われた方もいらっしゃると思います。
ですが、【利回りだけで判断するのは危険】ということは覚えておきましょう。
高利回りでも空室だと意味がない
利回りが高いからといって飛びついてはいけません。
なぜなら、利回りが高い地方の古い物件は、入居者が見つからず空室期間が長くなるリスクがあるからです。
入居してもらえなければ家賃収入はゼロなので、いくら想定の利回りが高くても意味ないですよね。
そういうことか…
また、入居づけを頑張ってもらうために不動産会社に払う広告料が高くなったりするので注意です。
高利回りでも要注意な物件
他にも、以下は利回りの高さだけを見ていると意外と見落としがちなポイントです。
- 事故物件
- 築年数の割にボロボロ
- 借地物件(土地は自分のものにならない)
情報を吟味し、購入までに必ず業者に確認をとりましょう。
私生活との相性を考えよう【特にサラリーマン】
先ほど書いたように、高利回り物件は古かったり、入居づけに苦労したりと、手のかかる場合がほとんどです。
ですが、サラリーマンなどで他に仕事がある人は、不動産投資にばかり時間を使えません。
そこで私は、
都内区分マンション(スキマ時間に運用できる、手間がかからない)の
築古物件(都内でも利回りそこそこ良い)を買うわけです。
「高利回りで最短コース!」とはなりませんが、手のかからない不動産のおかげで、普段の仕事だけでなく株式投資の勉強や読書などにも時間をたくさん使えています。
不動産投資の利回りのまとめ
同じような物件なら、利回りが高いほうがよいのは事実。
ただ、完璧な高利回り物件を手に入れるのは、不動産投資に慣れている人でも難しいです。
まずはそこそこな物件を1つ買って、不動産投資をスタートさせることを優先してみましょう。
それではまた!
堅実リーマン
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